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会場
12年間彫り続けてきた木彫作品がかなりの数になった。このまま私の部屋の棚に、所狭しと押し込めておくだけではかわいそうだ。 どこかで展示会でも開きたいところだが、『個展』と銘打つほどの作品ではないし、宮崎市内に会場を借りるほど金もない。 隣町の綾町には、『綾ふれあい館』というのがあって、1週間6000円ほどで貸してもらえる展示室があるそうだ。 見せてもらったら、私の作品だけの展示には広すぎるようだ。木彫教室の先生に声をかけたら、先生の作品の他に何点かの作品を 友情出展してくれる人も居て、こんな立派な会場で作品展示会を開けることになった。気恥ずかしいほどの会場だ。 2015年10月25日(日)から30日(金)までの1週間開催した。 見物人は多くはなかったようだが、『良いものを見せてもらった』というメッセージが幾つか寄せられていて嬉しかった。 家族も見に来てくれたし、作品たちも喜んでくれたことだろう。 |
テーブル1右下順に、木彫りを始めるきっかけになった不動明王像(姉が彫って送ってくれたもの)、最初の先生に教えてもらった鎌倉彫、 2番目の先生に最初に習ったお地蔵さん、小さく彫った、狼、鷲、馬などを展示。 中央左が、2番目の先生の指導下で彫った、一番のお気に入り、『闘牛像』。スペインで買ってきたお手本のブロンズと、 卦書き⇒木取り⇒粗彫りなどの工程写真をつけて展示。いちばん左が宮崎に移ってからついた3番目の先生の指導下で彫った自分の 干支、午。作品が2組あるのは、手前の方が主に自分で自由に彫ったもの。塗りも自分の好きな木蝋にした。奥にあるひと組は、 全体のバランスを気にしながら、先生の指導に忠実に従って彫ったもの。栗毛と黒毛に塗り分けてもらった。 加工工程をあわせて展示したのが結構好評だった。 |
テーブル2右端は申年用の猿。縄張り内を悠々と闊歩するボス猿のイメージ。二番目のヒグマはジグソーパズルの絵をモデルしたが、小顔に出来た たため、迫力不足の失敗作。近いうちに再挑戦しようと思っている。 3番目の虎は、国道10号線沿いの石材屋の庭先で見つけて写真を撮らせてもらった。数週間後には無くなっていたから売り物だったらしい。 写真だけを頼りに彫るのは心細いから、先生に御願いして、小さな立体彫りを作ってもらった。 4番目は、右から順に巣に舞い降りようとしている鷲、飛び立とうとしているクマタカ、飛翔旋回中の鷲。 左端はアメリカ狼の夫婦。牡が吠えているので、夫唱婦随といったところか。みな大物だから彫るのが大変だった。 特に、舞い降りるワシは、公園で伐採したシラカシを3年ほど車庫で枯らした木材を使ったのでその硬さに悪戦苦闘した。 やや小ぶりのクマタカは、横浜の家の庭に植えておいたネズミモチの木を伐採したものを使った。 15年も庭を緑で飾ってくれた木をただ切って捨ててしまうのは忍びない気がしたので。 |
テーブル3右端は須弥壇。祖母が愛用していた厨子と仏具は残っていたが、仏壇がなかった。買おうとして探したが適当なものが見つからない。 木彫教室に通っている人は主婦が多く、実用的な箱や置時計などに模様を彫っている人が多い。 先生に仏壇の件を相談して、設計と基本的な木取りをやってもらい自分で彫った。買うより数段上等なものが数段安い値段で出来た。 二番目は姉に贈ってもらった不動尊像をモデルにして彫った。中央は辰年の龍。左二つは未年用に彫った。 牧場の羊より、格闘するアイベックスの方が勢いがあるので未年の年賀状用にはアイベックスを採用した。 |
テーブル4右端ははみ出してしまったが、牛同士がつの突き合わせて押し合う、和式闘牛。次が巳年のコブラ。 マンションで大きな音を出せないので、近所にあるラグビーの練習場に持って行ってで彫った。その写真を上のパネルに貼っておいた。 次はネズミ、リス、ウサギなどの小動物だが、子年のネズミ、卯年のウサギを兼ねている。 中央は東京都心部にある動物たちを模したもの、カメラを持って都心部を探して歩いたのを思い出す。三越のライオン、渋谷のハチ公、 皇居前の大楠公までは簡単だったが、虎ノ門の虎は、駅員さえ知らず、ベテラン駅員何人かに尋ねてもらってやっと所在がわかった。 交通量の多い虎ノ門交差点横の歩道で銅像の上に載って写真を撮ったりしたので、通る人に怪訝そうに見られた。 次のフクロウたちは形は皆同じでサイズだけいろいろ。 一番左のオシャレフクロウは、首にペンダントをかけており、その拡大写真が上のパネルに貼ってある。ペンダント自体もフクロウである。 左端のピューマファミリーは初期の頃に彫ったにしては出来が良く気に入っている。 このテーブルの見所は上のパネルに貼った写真にある。上段右から、野外での彫り作業、ベランダでの木蝋塗り作業、半田ゴテを使った簡易 溶融壺で木蝋を熔かし、木像をヘアドライヤーで温めながら表面に染み込ます。長時間立っても、磨くたびに艶が増すので気に入っている。 動物園の飼育係気取りで遊ぶ孫、スカイツリーに挑みかかる悍馬、野外での展示会。中段右は一木から連環を彫り出す工程。連環彫りは、 木取りの形が完成品の形と違う意外さが面白い。小フクロウのペンダントをつけたオシャレフクロウ、そのペンダントの拡大写真など。 |
テーブル5,6テーブル5(右)と6(左)は木彫教室『アトリエきたたき』の先生と仲間の友情展示。右端は先生の亡くなった愛犬。 なんと、首輪までが木彫で出来ている。次がガマガエル。 中央の額に入っているブローチは、細密木彫りとでもいうべき精巧さ。葉の上になんと小さなカタツムリとテントウムシが居る。 上の時計はこの部屋の備品ではなく、仲間の作品。枠が木彫りで出来ている。その下は、ぐーっと伸びをした猫たち。左は大フクロウ。 テーブル6の右は、大木のまわりで遊ぶ子供たち。大木の上には小鳥がとまっているが、この写真では見えないほど小さい。左は飾り箱。 上の写真では見えない部分を下に拡大してみた。彫り上がり寸法が、テントウムシが3mm、カタツムリのカラが4mm、小鳥が12mm くらいである。
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